国家の威信を示すような重厚な駅舎が健在

橿原神宮前
かしはらじんぐうまえ
Kashiharajingumae

橿原神宮前駅

 3線の接続駅ですが、南大阪線と吉野線は運転系統が同一であり(ただし吉野線の運転本数は南大阪線に比べて大きく下回ります)、実質的には橿原線系統(軌間1,435mm)と南大阪・吉野線系統(軌間1,067mm)の接続駅というほうがよいでしょう。駅名のとおり、橿原神宮参拝の玄関駅になっています。

 橿原線ホームは南北に垂直方向となっているいっぽう、南大阪線・吉野線ホームは南西から東西へと弧を描いており、それぞれの乗り場は少し離れています。このため、両ホームを結ぶ連絡通路が地平に延びており、この連絡通路に直接面した中央口、橿原線乗り場の脇にある東口(構内踏切で連絡)、南大阪線・吉野線乗り場脇の西口(地下通路内)の3つの出口があり、それぞれに駅舎が設けられています。

 メインとなっている中央口には、大きな急傾斜の屋根の下に錣屋根(しころやね)を配する、大和棟を備えた駅舎が鎮座しています。この駅舎は、宇部市民館(現、宇部市渡辺翁記念館)などの設計で知られる村野藤吾の手によるものです。すべてが直線的ともいうべき角張ったデザインで、軒の列柱や巨大な梁の組み方などに力強さを感じます。皇族用の貴賓室がありますが、一般には公開されていません。

 橿原神宮への参拝拠点であることを強く意識したデザインですが、荘厳さよりも威圧感が先に感じられたのは、この駅舎の完成が1940年という時期であり、さらに皇紀2600年を踏まえて行われ国威発揚が求められていたという知識があったためでしょうか。それでも、天井や壁面などにはさまざまな装飾がほどこされており、このあたりに村野の建築らしさを感じさせます。

橿原神宮前駅中央口駅舎内

橿原神宮前駅中央口駅舎内。《2007年7月16日撮影》

 東口の駅舎は鉄筋平屋建てで、こちらも和風のデザインになっており屋根が目立ちますが、中央口駅舎のミニチュアというには屋根の傾斜が緩く、何をもとにしたものかはよくわかりません。駅前にはロータリーが整備されているほかレンタサイクルショップなども多く、観光客が多く見られます。ただし橿原神宮方面へ行くには駅の北側にある踏切まで大回りする必要があります。

橿原神宮前駅東口駅舎

橿原神宮前駅東口駅舎。《2007年7月16日撮影》

 いっぽう西口は地下に改札が設けられており、ここから駅前広場の脇に出る形になっています。中央口との間には連絡通路があります。ここからは久米寺への参拝が便利で、また橿原市南郊で開発された住宅地へのアクセス拠点になっています。

橿原神宮前駅西口駅舎

橿原神宮前駅西口駅舎。《2007年7月16日撮影》

 両ホームを結ぶ連絡通路には、パン屋、書店、ドラッグストア、コンビニ、コーヒーショップなど各種の店舗が軒を連ねています。列車を乗り換える際に便利。

橿原神宮前駅構内通路

橿原神宮前駅構内通路。《2007年7月16日撮影》

駅名の由来

 駅名は時代によって大きく変わっています。「歴史」欄を参照のこと。

歴史

 旧大阪電気軌道(現在の橿原線)、旧大阪鉄道(現在の南大阪線)、旧吉野鉄道(現在の吉野線)の各駅が統合されて現在にいたります。橿原神宮前駅の歴史は非常に複雑なので、ここでは時系列に沿って事実を記します。

周辺の見どころ

橿原神宮

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久米寺

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その他

2008年1月22日、写真を追加のうえ加筆修正

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